片付けの現場での不安の声 ぶれない活動指針が手帳にあった

もう十年以上前から「空き家」と片付け問題はある

最近、あることを調べていくために昔の手帳を出して見ました。空き家対策に関わるようになって個人の片付け相談内容や、講演セミナー等の依頼先や内容などを振り返り、考えが変わっていない事に改めて気づきました。

そもそも、私は接遇現場の仕事をしてきました。時には働く側と雇用側の問題を動かしていくほどの改善をしてきたこと、40年前には女性の働きやすさを全国の仲間と現場目線で追及してきたこと、社員教育に携わり指導もした、いつも「人」を中心に思いをはせながら動いてきた頃がありました。個人的には若い頃から常に「介護」という文字がついて回る暮らしをしてきました。

それが今に繋がっています。だからこそ、今の仕事でも現場で起きていることと、その背景に目を向ける、本当に困っていることを察する、自分ができあがったのでしょうか。

空き家問題に気づいていなかっただけ

前置きが長くなりましたが、現在は片付け相談やサポートを基盤に空き家対策に取り組んでいますが、手帳をみてみると2006年あたりから「空き家」という文字が出ていますね。今のようにはっきりしたものではないのですが、片付け現場に入ると「これだけの物をどうしよう、私がいなくなったら空き家になるかもしれん」・・・・・。今のように空き家が社会問題として世に取り上げられてはいなかった頃です。その頃から、「空き家」「もしもの時」を意識した片付けを進めるようになりました。片付けをしていると、親族間の話も必ず出ます。(もしや私だから話してくださるのか)子どもは帰らない、お姑さんや義理の兄弟姉妹に聞いてみないと何も進まない、先の事が不安でたまらないなど、それが片付け問題の背景になることもあります。

何とかせねば、空き家問題として大変な事になる

手帳を見ると2012年くらいには、現状を伝えたいと自分の想いを整理し始めていました。当時から法律やハードだけが動いてもどうにもならないと実感していました。「空き家」「住まい」とはカタチであり、そこに住む「人」に向き合わないと、何も解決しないと、確信していました。

時が来た。地域のファシリテーターに強い研修講師の前田、建築家の黒田の信頼できる二人に空き家プロジェクト構想を持ち込んだ!!2014年あたりから何度も打ち合わせをすすめ、仲間の専門家とで黒田が代表理事となり、さくらの時期に空き家対策プロジェクト一般社団法人さくらブリッジを立ち上げ、よい橋渡しができるようにと願いました。

ブレない指針 「人」ありきで仕組みをつくる

手探りながら、それぞれの分野で問題意識を始めたプロジェクトは今でもブレていませんね。空き家を増やしたくない 明確な空き家を増やすためには空き家対策の主役は「人」です。所有者の皆さん、地域の住民の皆さん、それぞれのご家族、地域で手を貸して活動される皆さん、自治体の皆さん、一人ひとり想いや考え方が違います。だからこそ、遠回りでも私たちの方法は近道で成功に近づけるのではないかと思っています。今では、個人の相談に全力で向き合い、しっかり地域に入り、地域と人に合った仕組みを作る、そんなチームになりました。

モノと暮らし、人の人生に大きく関わるんだと、そのぶれない動きが、私の手帳にあり、身の引き締まる思いでした。