実家や空き家の片付けで必ずあるモノ。それは、「大量の紙袋と包装紙」
捨てられない!もったいないし、いつか使うかも。これは笑い事ではなく、真剣な整理の問題。
素敵なお店のショッパー、旅行の思い出、丈夫な紙、なんだかもったいない。
特にシニア層のご実家の片付けや空き家の片付けサポートに伺うと必ずあるモノの一つが大量の紙袋。
そして、空き家に多いのが包装紙やのし紙、リボン。
ある80代のお母さんのお宅の片付けに伺った時の事。50年くらい前のモノでしょうね。「有名百貨店の包装紙や紙袋」、「進物屋さんの紙袋や名前入りののし紙やリボン」などが押し入れの奥や天袋にはたくさんありました。
押し入れの大きさで下段の半間すべてでした。奥には丁寧に箱に入れてあった物、手前は乱雑に突っ込んでありました。
実は、この収め方の違いにも実家の片付け・老いた親の片付けのヒントが隠されています。
包装紙や箱にもストーリーがあるので「もったいない」と・・・。
モノのない時代に生きてきた親の世代には、百貨店の優美さと豪華さとありがたさと、良いものというイメージがあったと思いませんか。私たち子世代もそうだったかな・・。子供のころ、街に行く、百貨店に行くという時は一番の服を着て緊張をして行ったものです。のちに老舗百貨店に勤務した私は特にそのストーリーをもった高齢の方がいらっしゃると強く感じます。
あの方から、あの時、お祝いやお返しでいただいた時の包装紙や箱。意を決して百貨店で購入したお気に入りの品々の包装紙やマークの入ったショッピングバッグ、その時についていたリボン。
すべてにストーリーがあり、想いがこもっているのです。そして、なんといっても100%出る言葉が「もったいないですよね」。紙質が良いのでまた使えるという想いもあると思うのです。
さて、子世代はこの片付けにどう立ち向かう
大量の袋を目にして親に立ち向かいいざ、片付けようと思った50代の娘さんは「なんでこんなにたくさんの包装紙を持ってるのよお!もう使わないでしょうがあ」と声を上げげました。
ですが私の方法は、一旦そのストーリーを聴き共感してもらいました。そして、奥がキレイに収めてあり、手前が乱雑な事実が何でなのかを察するチカラも必要。昔は大事に丁寧に収めていたけれど、歳をとり体が不自由になり、持つ事、収める事のしんどさがあったのではないでしょうか。
長い人生の話は尽きないのですが、聴く・認める共感・知る間に、手放してもいいココロにほぐれてるケースがあります。やっと整理の話。取っておく紙と、何かの時に使う紙、黄ばんでしまってサヨナラの紙に分けました。
たったこれだけの作業に思えるでしょうが、私と子供さんの目線だけで片付けてはいけないのが実家の片付けです。一番大事なのは聴いてほぐすこと、すると取っておくべき大事なモノや手放してもいいモノが見えます。収納アイデアは一番最後の作業です。
あれだけあった袋がお母さんの意思で減り、押し入れ半間、持つ事の安心感を重視、使う頻度は低いので少しだけ高い位置に。奥と手前に紙袋を分けて収納。
お母さんは、「本当はずっと気になっていたけれど言い出せなくてね。でも全部は捨てられない。ホッとしました」とおっしゃっていました。
50年ぶりの棚卸し終了でした。