家財整理が進まない理由
依然と、空き家問題の中でも「家財整理」の課題は大きな割合を占めています。
どうしても「業者さえいれば、費用さえあれば」とクローズアップされますが、
そうではなく、捨てる・捨て方だけの問題ではないのです。
もっと個人に焦点を当てていかないと解決には至りません。
手を付けられない理由が個々に違います。地域性、精神面、費用の面、遠方、方法、親族間トラブル、
本当はもっともっともっと!たくさんの複雑な背景を所有者はもっています。
地域性としては
中山間では、三世代前からの家財が残されてこれを所有者もしくは納税者が
整理をしていくのです。もしかしたら孫かもしれない、住んだことのない親族かもしれない、
でも親は住んだことがある子世代、親の痕跡もある。
つまり懐かしさもある。判断の問題ができない。
また農機具や蔵もあり、世代を超えた家財の多さにお手上げ状態。
台所には調味料や洗剤まで何年も放置され朽ちていて不衛生。
100年前くらいの湿気た寝具や、衣装缶いっぱいの衣類等も。
置く場所はいくらでもあり、暮らしの中に「捨てる」という習慣があまりないのも時代背景。
住宅団地では、親世代だけの家財に向き合うケースが多い。
亡くなったままの放置・・というか、親への想いがあり、手を付けられない人も多いことは事実。
巣立った子供たちの家族との思い出の品々。
少しずつ整理に行っているが、続かない・・・。
市街地でも、地域性はあるものの団地同様の状況ですが、まだ不動産業が介入するケースが多く、
急げばお金になる。
ただ、趣味のモノや日常の家財等、限られた敷地の中に散在している状態も。
関わる人数の減少
私への相談者ですが、キーワードが「ひとり」が多いです。
一人っ子さん、子どもさんがいない方など・・・・。
これまでは、小うるさくても親族や小姑がいましたが、
今からは人口減で一人が抱える案件が増えてくること、
所有者の子供たちは、手伝う意思がないことなどが見受けられます。
それでも、あなただけの事ではない、この家に関わった親族ないし、子どもたちに
家財整理を一緒に捨てほしいといつもお伝えしています。
故人とあなた方の生き様を見て「ありがとう・さよなら」と手を付けていく時間は大事です。
今後は「認知症」「施設」というワードが増えてきます。すでに相談が増えています。
わかる間、出来るときに動かないと、所有者の子世代はもっと大変な状況に。
捨てるだけではない、でも捨てなくてはならないモノがほとんど、
家財整理の判断・計画・費用を計画の中に入れながら、なにが妨げている原因なのか、
まずは思考の整理をして進めてみては。
個人の方のそばで後押しをしています。
求められること出来ることはご相談者それぞれですが、
ほとんどの方が、安心して取り組んでいらっしゃいます。
行政では出来ない個人コンサル、この役割を私は担っています。
気持ちの問題

